どうも、管理人のテツです。
最近のパチンコ業界はIR推進法、所謂カジノ法案が呼び水となり、今まで見てみぬふりをしてきた業界の負の部分、ギャンブル依存症(のめり込み問題・遊技障害・ギャンブリング障害)がにわかにクローズアップされるようになってきました。
ニュースではやれギャンブル依存の疑いがあるのは536万人だ、いや280万人だと、またそれらの多くはパチンカー・スロッターである、それに伴ってパチンコ業界に対して更なる規制、また業界自身の更なる取り組みが必要、といった論調が繰り広げられている状況です。
この流れは大変大きなもので、やはりカジノ開業に向けて批判の目は潰していきたいとの政府の思惑もあり、パチンコ業界も否応なしに対応・規制を迫られているのが現状です。
カジノ法案に関連してパチンコ業界にどのような影響が出るのか?これに関しましては、『パチンコ屋の裏話 現役店長がこっそり更新』の楽太郎さんが全2回に渡って要点を纏めている記事が大変分かりやすいので、そちらをご紹介したいと思います。
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出玉規制
さて、今回はその中でも我々打ち手が関心を持っている、直接的に影響を受けると思われる『出玉規制の基準見直し』について掘り下げていきたいと思います。
この出玉規制については風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則(風営法または風適法)内の第八条『著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機の基準』の中で明確に定められています。大変長文となっていますので、読むのがめんどくさい方は飛ばしてくださってかまいません。この後、一部抜粋して解説していますのでそちらをご覧になってください。
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則
第八条 著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機の基準
ぱちんこ遊技機
一 一分間に四百円に当該金額がその対価の額(消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第二十八条第一項に規定する対価の額をいう。)である課税資産の譲渡等(消費税法第二条第一項第九号に規定する課税資産の譲渡等をいう。)につき課されるべき消費税に相当する額及び当該課されるべき消費税の額を課税標準として課されるべき地方消費税に相当する額(以下「当該金額消費税等相当額」という。)を加えた金額の遊技料金に相当する数を超える数の遊技球(遊技の用に供する玉をいう。以下この項及び次項において同じ。)を発射させることができる性能を有する遊技機であること。
二 一個の遊技球を入賞させることにより獲得することができる遊技球の数が十五個を超えることがある性能を有する遊技機であること。
三 一時間にわたり遊技球を連続して発射させた場合において獲得することができる遊技球の数が発射させた遊技球の数の三倍を超えることがある性能を有する遊技機であること、その他短時間に著しく多くの遊技球を獲得することができる性能を有する遊技機であること。
四 十時間にわたり遊技球を連続して発射させた場合において獲得することができる遊技球の数が発射させた遊技球の数の二倍を超えることがあるか、又はその二分の一を下回ることがある性能を有する遊技機であること。
五 役物(入賞を容易にするための特別の装置をいう。以下同じ。)が設けられている遊技機にあつては、役物が作動する場合に入賞させることができる遊技球の数がおおむね十個を超える性能を有する遊技機であること。
六 十時間にわたり遊技球を連続して発射させた場合において獲得することができる遊技球の数のうち役物の作動によるものの割合が七割を超えることがある性能を有する遊技機であること、その他獲得することができる遊技球の数のうち役物の作動によるものの割合が著しく大きくなることがある性能を有する遊技機であること。
七 役物を連続して作動させるための特別の装置(以下「役物連続作動装置」という。)が設けられている遊技機にあつては、役物が連続して作動する回数が十六回を超える性能を有するものその他当該役物連続作動装置の作動により著しく多くの遊技球を獲得することができる性能を有するものであること。
八 十時間にわたり遊技球を連続して発射させた場合において獲得することができる遊技球の数のうち役物連続作動装置の作動によるものの割合が六割を超えることがある性能を有する遊技機であること。
九 遊技球の大きさに比して入賞口の大きさが著しく大きい遊技機又は小さい遊技機であること、その他客の技量にかかわらず遊技球の獲得が容易であり、又は困難である遊技機であること。
十 客が直接操作していないにもかかわらず遊技球を発射させることができる遊技機であること、遊技盤上の遊技球の位置を客の技量にかかわらず調整することができない遊技機であること、客が遊技盤上の遊技球の位置を確認することができない遊技機であること、役物を著しく容易に作動させることができる性能を有する遊技機であること、遊技の公正を害する調整を行うことができる性能を有する遊技機であること、その他客の技量が遊技の結果に表れないおそれが著しい遊技機又は遊技の結果が偶然若しくは客以外の者の意図により決定されるおそれが著しい遊技機であること。
十一 容易に不正な改造その他の変更が加えられるおそれのある遊技機であること。
回胴式遊技機
一 一分間に四百円に当該金額消費税等相当額を加えた金額の遊技料金におおむね相当する数を超える数の遊技メダル(遊技の用に供するメダルをいう。以下この項において同じ。)又は遊技球(以下この項において「遊技メダル等」という。)を使用して遊技をさせることができる性能を有する遊技機であること。
二 一回の入賞により獲得することができる遊技メダル等の数が遊技メダルにあつては十五枚を、遊技球にあつては七十五個を、それぞれ超え、又は当該入賞に使用した遊技メダル等の数の十五倍を超えることがある性能を有する遊技機であること。
三 四百回にわたり遊技を連続して行つた場合において獲得することができる遊技メダル等の数が使用した遊技メダル等の数の三倍を超えることがある性能を有する遊技機であること、その他短時間に著しく多くの遊技メダル等を獲得することができる性能を有する遊技機であること。
四 六千回にわたり遊技を連続して行つた場合において獲得することができる遊技メダル等の数が使用した遊技メダル等の数の一・五倍を超えることがある性能を有する遊技機であること。
五 一万七千五百回にわたり遊技を連続して行つた場合において獲得することができる遊技メダル等の数が使用した遊技メダル等の数の一・二倍を超えることがあるか、又はその二十分の十一を下回ることがある性能を有する遊技機であること。
六 役物が設けられている遊技機にあつては、役物が作動する場合に入賞させることができる回数が八回を超える性能を有する遊技機であること。
七 六千回にわたり遊技を連続して行つた場合において獲得することができる遊技メダル等の数のうち役物の作動によるものの割合が七割を超えることがある性能を有する遊技機であること、その他獲得することができる遊技メダル等の数のうち役物の作動によるものの割合が著しく大きくなることがある性能を有する遊技機であること。
八 役物連続作動装置が設けられている遊技機にあつては、一回の役物連続作動装置の作動により獲得することができる遊技メダル等の数が遊技メダルにあつては四百八十枚を、遊技球にあつては二千四百個を、それぞれ超えることがある性能を有するものであること。
九 六千回にわたり遊技を連続して行つた場合において獲得することができる遊技メダル等の数のうち役物(一回の遊技の結果が得られた場合に作動を終了することとされているものを除く。)の作動によるものの割合が六割を超えることがある性能を有する遊技機であること。
十 入賞とされる回胴の上の図柄の組合せが著しく多い遊技機又は著しく少ない遊技機であること、その他客の技量にかかわらず遊技メダル等の獲得が容易であり、又は困難である遊技機であること。
十一 回胴の回転の停止を客の技量にかかわらず調整することができない遊技機であること、回胴の回転が著しく速い遊技機であること、役物を著しく容易に作動させることができる性能を有する遊技機であること、遊技の公正を害する調整を行うことができる性能を有する遊技機であること、その他客の技量が遊技の結果に表れないおそれが著しい遊技機又は遊技の結果が偶然若しくは客以外の者の意図により決定されるおそれが著しい遊技機であること。
十二 容易に不正な改造その他の変更が加えられるおそれのある遊技機であること。
出典:「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則」より一部抜粋
このように細部まで規定があります。大変分かりづらいでしょ?なんでこういった文章は一般の人が読んで分かりづらい文章にするのでしょうかね?この中で今回の出玉規制で変更される可能性のある部分・変更された場合ユーザーに大きな影響が出る部分、これらを抜粋してなるべく分かりやすいようにかみ砕いた表現に変えて説明していきたいと思います。
規制内容について
まずパチンコについて、現在の規定では、
- 1分間に打ち出せる玉数は最大100個(400円)まで
- パチンコ玉1個が入賞して払い出せる玉数は15個まで
- 1時間の遊技での獲得上限:打ち出せる最大玉数6000個(1分間100個×60分)の3倍=18000個まで、ユーザーが得られる最大値は12000個まで
- 10時間の遊技での獲得上限:打ち出せる最大玉数60000個(1分間100個×60分×10時間)の2倍=120000個まで、ユーザーが得られる最大値は60000個まで
次にスロット(回胴式遊技機)について、
- 1分間の上限はパチンコと同じ400円=20枚、1回転3枚で計算すると7回転弱となるが、ジャグラーなど1枚で遊戯可能な機種もあることを考慮に入れて、概ね1分間で400円までといった規定となっている。実際は遊技間のウェイトが現在4.1秒なのを考えると、1分間で回せる最大は14回転まで、リプレイ確率が1/7.3以上と定められている事を考慮に入れても、1分間=12回転=36枚くらいが実情ではないかと
- 小役の最大払い出し枚数は15枚まで
- 400回転の遊技での獲得上限:投入枚数1200枚(1回転3枚×400回)の3倍=3600枚まで、ユーザーが得られる最大値は2400枚まで
- 6000回転の遊技での獲得上限:投入枚数18000枚(1回転3枚×6000回)×1.5倍=27000枚まで、ユーザーが得られる最大値は9000枚まで
- 17500回転の遊技での獲得上限:投入枚数52500枚(1回転3枚×17500回)×1.2倍=63000枚まで、ユーザーが得られる最大値は10500枚まで。17500回転の遊技での獲得下限:投入枚数52500枚(1回転3枚×17500回)×0.55倍=28875枚まで、ユーザーが得られる最小値は-23625枚まで
だいたいこんな感じになります。実際はリプレイ確率が1/7.3以上と定められている事を考慮に入れて考えると、上記の数値よりも当該回転数あたりのIN枚数が減少するので、試射試験での上限枚数は上記で示した値よりも少なくなると思われます。ですが、大体はこれらの基準をもって保通協(一般財団法人 保安通信協会)にメーカーから持ち込まれた遊技機の「型式試験」を行っていると考えてもらっていいはずです(勿論、他にも様々な基準があります)。
スロットなんかは400回転、6000回転、17500回転とパチンコよりも細かい区切りで出玉性能を試験しており、射幸性の抑制が厳しく求められているのが分かると思います。これも、4号機時代、時速5000枚なんていう今では考えられない射幸性をもった機種が問題となった影響から導入された経緯があるわけです。
更なる規制強化とは?
さて、これらの出玉に関する決まりごとが更に強化、要は更に射幸性を抑制する動きがある(というか規制するのは決定)されるという話です。現在でも既にMAX機の撤去など、業界の自主的な取り組み(日工組による内規)によって射幸性抑制を行っているわけですが、根本的に法律を変えてしまおうという話です。
巷で噂されているのは、パチンコの出玉規制が強化されるのではないかという事です。
現在の規制ですと、パチンコなら1日(10時間)遊技で最大60000個=24万円(4円)、スロットなら1日(6000回転)遊技で最大9000枚=18万円(20円)、このように定められています。
見て分かるように、パチンコの方がスロットと比べて上限規制が甘いのが分かりますよね。よって、パチンコもスロットと同じくらいの規制にしようという流れのようです。スロットが1.5倍なのでパチンコも同じく1.5倍にしよう、という話が流れています。
どういう事になるかというと、
10時間の遊技での獲得上限:打ち出せる最大玉数60000個(1分間100個×60分×10時間)の1.5倍=90000個まで、要は獲得玉数30000個まで
30000個というと12万円(4円)ですよ!?スロットと釣り合ってないですよね。
そもそもパチンコとスロットでは貸玉・貸メダルの料金が違いますからね。これで営業するならば、パチンコの交換率を昔のように40玉交換(2.5円)レベルまで落とさないと難しいのではないでしょうか?「遊べるようになってその方がいいじゃん!」という人もいるかと思いますが、これは現状、中々難しい問題です。現在、警察庁生活安全局保安課の指導により、パチンコ店には「一物一価」が求められています(パチンコとスロットの交換率を同じにしなさい、という事)。もし、パチンコを40玉交換(2.5円)にするならば、スロットも8枚交換(12.5円)にしなければならないという事です。
先ほど示したような規制がパチンコに課されるようであるなら、今までの機械とはまったく別ものになってしまいますね。既に客飛びの激しいパチンコですが、これらの規制が強化されたら更に加速しそうです。せめて「一物一価」は廃止して、柔軟な営業形態が取れるようにするべきではないでしょうか?
これからどうなる?
現状パチンコが規制されるかも?という話をしましたが、スロットもどうなるかは分かりません。
どう転んでもよくて現状維持、間違っても規制緩和は考えられないので、もしかしたら上記で示した数値よりも更なる規制が課される可能性もあります。
抜粋して説明したもの以外、例えば、8.ボーナス獲得枚数の上限や、9.獲得枚数に占めるボーナスによる出玉の割合、これらの規制が強化されることもありえなくはないでしょう。
ここを規制されると、出玉上限は変わらなくとも通常Gが小役ばかり揃って無駄にコイン持ちの良い間延びした台しか作れなくなる可能性もあります。
簡単にではありますが、私なりにかみ砕いてご説明させていただきました(それでも分かりづらいという方がいたら申し訳ありません)。現在進行形で話し合いが為されている最中であり、規制案が世に出てくるのは今夏という話ですので、実際のところはまだどうなるかは分かりません。
おそらく業界と警察・政府による話し合い、どこまで規制するかの綱引きが行われている最中でしょう。
是非業界には踏ん張って、いい落としどころを見つけてほしいところです。